2024/11/27 2024/11/27
今回ドラレコをVantrue N4からN4 Proに変更しました。
気がついたらN4が通電されている状態になっておらずの状態で、結果としてUSBケーブルの経年劣化により電圧降下が起動電圧を下回っていたというオチでした。
なのUSBケーブル買い直せば終わる話だったのですが、買い替えに手を出し、更にそのせいで余計混乱するという事態を招きましたw
ただ、色々対応した過程でそもそものUSB-Cに対する理解が間違っていたことも分かったので技術メモとして残しておきます。
ポイントとしては以下となります。
ドラレコに向けた電源供給は、Vantrueの製品付属のシガーソケットに刺す電源アダプタをワタシは使用せず、以下のような形としています。
バッテリー → バッ直回路 → エーモン1541 → USBカーチャージャー(USB-A x 1+USB-C x 2) → USBケーブル(A to C) → ドラレコ
理由としては、他にもUSB電源を使用するデバイスがいくつかあるのでポート確保のためと、ドラレコ買い替え時にUSBケーブルの車内配線をやり直さずに済ますためとなります。
(今回なんだかんだで3~4回配線し直しましたが・・・)
ドラレコ自体がそもそもバックミラー周辺に設置するという性質もあり、 電源用USBケーブルは長いものが必要となります。
Vantrueの電源アダプタから伸びるUSBケーブルは3.5mもあります。
自車の環境でも2.5m位は必要なのですが、中途半端な長さのUSBケーブルは売っておらず3mのケーブルを使用しています。
この長さのレベルまでくると、ケーブル自体の内部抵抗が目立ってくるようになり、ケーブルの質にもよりますが0.2V前後、酷いと0.3~0.5V前後落ちるケースがあることが分かりました。
なので尼損の中華USBケーブルでも良いのですが、ケーブルの質の見極めが必要となります。
(思ったより充電スピードが遅い系のレビューは内部抵抗が高い可能性があるので、そういったものを候補から除外するといった見方になるかと)
USB CABLE CHECKER2を使った比較になります。
一定計測誤差がでるようですが、ケーブル同士の順位付け目的としては参考になります。
今回は254mΩのやつを使いましたが、実際の電圧降下は0.17V程度ありました。
USB2.0のVBUS 5Vに対する規格上の許容電圧範囲は4.75V~5.25Vなので、上記だと4.83V位にはなるので許容範囲には入っているという感じです。
これはダメなケーブルの計測電圧で電圧降下が酷すぎて電源が入らない・・・
市販のUSBケーブルでこんな電圧降下が起きるんだったら、Vantrueの電源アダプタのケーブルなんてもっとスゴイんじゃ・・・
なのに電源入らない、電源落ちるみたいな記述はほぼ見かけません。
なんでだろうと思ったのですが、答えは簡単。アダプタからの供給電圧を高くして、電圧降下分を補うという作戦のようです。
試しに測ってみたら、規格限界ギリギリの5.25Vの供給でした・・・
なので、ワタシのように別のカーチャージャーのUSBポートを利用する場合は、基本その上乗せが無いので5V以下にはどうしてもなってしまう = ケーブル次第で不安定になりがちということになります。
最悪はカーチャージャ経由の給電ではなく、以下のようなDC-DCコンバータを使って給電することも考えていましたが、なんとかギリ解消したので買わずに済みましたw
https://strawberry-linux.com/support.php/18697/1816531
これの良いところはケーブル抵抗の補償が行えることです。負荷電流が増えてた際に落ちる電圧降下分の電圧も持ち上げる形で平滑化をしてくれるようです。
USB2.0までは端子(VBUS)から常時電圧(5V)が出ていた状態だったので、USB PD等の20Vとかの電圧については5Vからデバイス間でやり取りして徐々に目的電圧まで上げていくような仕組みだと勝手に思ってましたが、間違いでした。
USB-Cからは両端が接続されている状態でないとVBUSに電圧をかけてはいけないという形に変わっているようで、Configuration Processという接続時制御の中で行われています。
USB-Cに設けられているCCピンに対し5.1kΩの抵抗でプルダウンされたら5V供給開始となり、次にUSB-Cケーブルのコネクタ部にeMarkerというチップが内蔵されていたら、その情報を見てUSB PDの規格上どこまでの電圧や電流が流せるかを判断して初めて目的の電圧/電流が供給されるという形になるようです。
こういったやり取りが必要なため、USB-Cケーブル/デバイス双方にこのやり取りができる仕組みを持っておく必要があります。
で、ドライブレコーダーの話に戻ります。
今回トラブルが起きた際、じゃあUSB-CのポートからC to Cでケーブルを繋いで動くか切り分けてみようと思って試してみたところ、ドラレコは電源ONになりませんでした。
これによって切り分けの誤判断が発生し、カーチャージャーが壊れたと判断してカーチャージャー新調→状況変わらず→ドラレコか・・・と新調に向かっていってしまったわけですw
ではなぜC to Cのケーブルで電源がONにならなかったのか。
ドラレコ本体への電源供給がmicroUSB経由だった時代から、USB-Cの普及によりコネクタこそUSB-Cに変わってはいますが必要な電圧は5Vがベースのケースがほとんどなのと、ドラレコ側にConfiguration Processを処理機構がコストがかかるので組み込まれていないということなのだと思います。
ゆえにCCピンのプルダウンなんてものは行われないので5V自体ドラレコ側に供給されてないから電源が入りようもないということです
試しに計測したら、CCピンには3.2V流れていましたが、VBUSは0Vだったのでアタリでしょう。
ということでドラレコ向けはUSB-A to Cのケーブルでないと電源が入らないということです。
では電圧降下しにくいUSB-A to Cのケーブルなんてものがあるのか?となります。
電圧降下しにくくするためには、できるだけ各線を太くする必要があります。
USBの規格面でみるとUSB 2.0用のケーブルがベストかなと思っています。
USB 2.0は4本の信号線が必要となりますが、USB3.0、3.1はこれが9本となります。
ケーブル外見の太さが同じであれば、USB 2.0のケーブルの方が信号線1本あたりの太さを稼げるということになり、その分電圧降下しにくいケーブルになると思われます。
ただ、この御時世、規格上は上位互換であるUSB3.1用のケーブルが市場に出回りまくってるので今更USB2.0用ケーブルを探すのは難しくなります。
このため、できるだけ外見の太いケーブルを探すと内部抵抗の低いケーブルに当たる可能性は高くなるかもです。
(極細とか、きしめんタイプで売ってるやつは論外ですね)
知っていれば色々散財せずに済んだかもですが、良いお勉強代だったということで・・・
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