2023/08/15 2023/08/15
Apple Siliconが出始めてからずっと調べていたこと、それが
「ParallelsのWindowsはどうなってしまうんだろう」
でした。
あちこち色々情報が出回ってきてはいるものの、実際に実機を手元を置いて初めて分かったこともあり、これらを共有がてらまとめておきます。
疑問点 | 結果・回答 |
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Intel版 Parallelsのライセンスは移行できる? | 私はParallels Desktop for Mac Pro Editionのサブスク契約ですが、KBにあるやり方で対応できました。 ただし、移行元のMac上で利用はできなくなります。 |
Arm版 Windows10製品版は使えない? | Arm版Windows10は単体販売されておらず、使えるのはInsider Preview版かつMicrosoft側からもグレーな扱いとなっていました。 個人的にはこれが気持ち悪くて乗り換えを悩んでいた部分もありましたが、Windows11より単体販売されMS側からも正式にApple Silicon版Parallelsでの稼働サポートが表明されました。 なので、Windows11を使用することをオススメします。 |
これまでのVMイメージは利用できるのか? | これまでのIntel版WindowsとしてVM利用していた際のpvmファイルはArm版Parallelsではそもそも読み込めません。 Intel版Windows→Arm版Windowsのアップグレードもできないので、新たにArm版Windows用のVMを作成する必要があります。 ゆえにIntel版で利用していたアプリ等は改めてArm版Windowsインストール後にインストールが必要となります。 |
Arm版 Windowsで稼働できるアプリは? | Windows10と11でx64アプリサポートが異なります。この差もあるのでWindows11のほうが良いと思います。 Arm版Windows10 : Armネイティブアプリ=動く、x86アプリ=動く(エミュレーション)、x64=動かない Arm版Windwos11 : Armネイティブアプリ=動く、x86アプリ/x64アプリ=動く(エミュレーション) |
アプリは稼働保証されているのか? | Armネイティブアプリは100%稼働保証、x86/x64アプリは稼働保証はされていません。 とはいえ通常使うアプリについてはほぼ動くようです。 明確に動かないと判断できるものは、システム、ドライバに干渉するアプリとなります。 アンチウイルス系、仮想ドライバ系(仮想PDFプリンタ、仮想CDドライブ等)はArmネイティブ版が必要となります。 ワタシの環境で動かなかったのはまさに上記に関連する「Open Shell(旧Classic Shell)」「PDF Redirect」だけでした。(Open Shell使えないのは辛いですが…) |
起動したアプリが何版で動いているのか確認できるのか? | タスクマネージャー(Ctrl+Shift+ESC)の詳細からアーキテクチャ列で確認することができます。 ARM64=Armネイティブ、ARM64(x64互換)=Arm64EC、x86=エミュレーション稼働、x64=エミュレーション稼働となります。 「アーキテクチャ」列の表示が無い場合は列名表示行で右クリック→列の選択から「アーキテクチャ」を選択してください。 |
x86/x64アプリの動きは重いのか? | ベンチマークスコア上の数値ではArmネイティブと比較して20〜30%程度性能は落ちるようです。 ただ、M2 Maxでいえばi9-9880Hよりも整数演算系は19%向上(ただし浮動小数点系は30%降下)という状況であるため、体感できる遅さは感じていません。 |
Microsoft 365のライセンスは利用できるか? | Microsoft 365 Personalを使用していますが、新たなPCとしてインストール/ライセンス管理はこれまで通り可能です。 Arm64EC(Armネイティブ+一部x64エミューレート)で稼働します。 |
Windows以外のx86/x64系OSをVM稼働できるのか? | あくまでもWindowsはOS自体にエミューレータを持っているため利用できる状態にありますが、それ以外のOSで同様な機能を持つものはいないと思いますので「できない」になります。 実際にParallels上からのインストール可能なOSであるUbuntu等はArm版になります。 ただしx86/x64系のLinux OSを使いたい場合はParallelsではなく、MacOS上からLimaを利用することにより実現可能です。 (Virtualization.Frameworkを使用したLinux VM(Arm)を起動し、Rosetta2を使用してx86/x64コンテナを実行できる) なお、Virtualization.Frameworkを経由してRosetta2を使用できるのはVentura以降となるため、MacOSとしての条件がVenturaであることとなります。 |
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